2016年7月21日木曜日

怒らないでね、大雲閣

 植物「大雲閣」を購入しました。

 先週、ホームセンターで見かけて欲しいなと思いつつも我慢して購入しなかった一鉢。売れるな、売れるなと思いながら植物コーナーへ向かい、店の奥に姿が見えたときには、ほっとしました。

大雲閣、迫力のあるフォルムが魅力


 説明書きには、この植物がサボテンではないことが書かれていました。あなたは何者?(インターネットによれば、「トウダイグサ科」、「ユーフォルビア属」に分類されます)
 とても大きくなることは知っていたものの、知れば知るほど謎が増えていきました。最近、植物が知的好奇心を刺激してくれることが多いことに、とても感謝しています。

 大雲閣をレジに持ち込むと、ビニール袋に入れられて、気を付けて持つよう言われました。棘が刺さるとかより、植物へのダメージが気になりました。

 後になって袋から出すと、案の定ビニール袋と自動車の揺れの影響がありました。枝どうしが接触して、内側に開いた穴から白い樹液が出ていました。また、外側も棘が曲がったところが幾つかありました。植物に申し訳ない気持ちで、樹液を指で拭いました。

大雲閣の枝どうしが接触した痕、白い樹液が出ている


 手を洗ってから、早速、植え替えについてインターネットで検索しようとしました。「大雲閣」と入力、検索候補が予測されました。そして、その一つに、「毒」というキーワードが提示されました。
 植え替えのための準備もしていました。しかし、「毒」が気になってしようがないので、「植え替え」というキーワードの検索は後に持ち越しました。

―毒の概要―

1.樹液に毒がある
2.大雲閣を胴切りして吹き出した樹液が目に入って、一時的に視力が低下、数週間かけて回復した事例がある
3.樹液に触れると、患部が痺れることがある

 わたしは、持っていたスマートフォンをその場に置いて洗面所に直行、外出時以外では滅多に使わないハンドソープで、念入りに指を洗いました。特に湿疹は見られない、助かった~。
 樹液は、付着すると速乾性があり、とても強い摩擦抵抗を感じました。その上、近寄ると独特の臭いがあります。

 樹液の影響ではないと思うけれど、目に痺れを感じました。樹液に触って最初に手を洗ったとき、軽く顔も洗ったかもしれない・・・。
 こういうときには、人間、錯覚に陥りやすいもの。恐ろしい想像をしながらも、実際、自動車の運転の影響だと思いました。

 植物が外敵から身を守るために、棘に加えて、毒まで持つのかと感心さえしました。わたしは敵じゃないよ、怒らないでね、大雲閣。さいわいなことに、湿疹は見られませんでした。樹液を拭い取ることで、優しく接する気持ちが植物に通じたんだよ、きっと。

 わたしは、迷信は信じませんが、そう思いたいときだってあります。植え替えをしようと検索したことで毒に気が付きました。早めの毒への対応も、植物への愛情があったからこそ。そう考えると、優しく接する気持ちと毒が効かなかったことは、強ち無関係ではありません。

 そして、昨日、植え替えをしました。

-植え替えの手順-

1.鉢から大雲閣を取り出した
2.根に付いた用土を払い除けた
3.鉢の底に網を敷いた
4.軽石を網で篩にかけ、大きさが一定以上のものを底石として使用した
5.サボテンの用土を敷いた
6.大雲閣を乗せて少しずつ用土を詰めていった

 この日は、二鉢の白雲閣(こちらはサボテン)も、植え替えました。大中小と並んで、トトロみたい。

植え替えしました(左は大雲閣、中央と右は白雲閣)


 大きい方の白雲閣は植え方が浅かったので、植え替え前の地下部分の跡が見えています。植え替えし直したいのですが、鉢に肥料を乗せてあるし、記念撮影までしてしまい、植え替えをやり直すことに躊躇いました。
 優しく接する気持ちがあるなら、早めに植え替えし直しましょう。

追記(2016年7月27日0時8分)
2016年7月23日、大きい方の白雲閣を植え直しました。

2016年7月11日月曜日

投票してきました

 昨日、7月10日は参議院議員選挙の投票日でした。

 今回の選挙で、高知県は徳島県との合区がなされました。全国報道では、中央の視点から「一八歳選挙権」、「野党共闘」にばかり注目が集まりがちですが、対象地域の有権者にとっては「合区」が最重要問題です。高知県出身者として、両県がともに一人区なのに、合区で選出される議員の人数が減らされることに強い理不尽さを感じています。
 参議院議員選挙は3年毎に半数の改選であり、全体では2県で2人の議員は確保されます。しかし、1回1回の選挙でいえば、有権者各々の民意は議員1人分も反映されていません。一票の格差を是正するという理由で、地方の影響力低下が強まる極端な手段が実現してしまったように感じられます。県を跨いだ合区は、価値観や政治的な区分の異なる集団に択一的な政治観念を選ばせるものであり適用してはいけないと思っています。

 わたしの実感としては、選挙区あたりの有権者数が増えたことによる、単純な一票の価値の低下は殆ど意識していません。それよりも、政治単位の異なる地域(他県)と合区されたことによる、"一票の意味の曖昧さ"、"議員の地域代表としての価値の低下"を感じます。一体、誰のために投票しているのか、自分の地域の議員が選挙区内全域の市民の意思を反映できるのかと思ってしまいます。
 これについて、議員が1県の代表ではないので、政治の場で県の代表としての立場をとれるとは思えません。恐らく、両県に共通する価値観は反映しながらも、対立する価値観については明確な立場をとれない場面が出てくるはずです。そのため、多くの国会議員が地域の問題を国政に持ち込む中で、合区の議員は政党内の大勢の意見に依存しやすくなります。このような状況では、有権者は県の代表性の低い議員を選択せざるを得ないことで、国政では都道府県間の影響力の開きが一層大きくなります。

 わたしは日頃からひとの批判をしないよう心掛けていますが、今回の合区に関しては"愚策"だと思います。一票の格差を是正するために、一部地域の意見の集約に支障がでるような区割りをすることは民主主義を蔑ろにしています。
 数値上の格差に是正後の実質的な格差の変化を勘案して、場合によっては例外を設けることも必要なはずです。有権者数を分母にして、議員定数を分子にするような単純な関係式ではなく、県を跨いだ民意を正確に反映できない分、議員の代表価値は低くなるので、1未満の係数がかかるはずです。国家財政の赤字が膨らむとしても参議院議員の全体の定数を増やして、一票の価値の低い地域の定数を増やして、格差を是正するほうが適正かと思います。

 わたしは政治について強い関心がある方ですが、最近の政治報道については、かなり冷ややかな目で見ています。全国的な報道機関は、参議院議員選挙の合区をほとんど扱いません。この問題に限らず、特に、このところの東京都知事選挙に関する報道については、情報過剰です。いくら首都の知事とはいえ、全国報道で連日トップニュースになるような話題ではありません。
 一都道府県知事の、しかも候補者たちが届け出る前から"一候補者"に焦点を当てて大騒ぎしています。ましてや、国政選挙の期間中にです。 最近の報道は、あまりに中央集権が過ぎるように思います。全国報道であることを意識して、主観的な報道にならないよう変化を起こすには一体、どのような方法が必要なのかを考えさせられます。

 地方のテレビは東京で製作された番組が中心になりますが、全国区の放送局から発信される番組は、東京のローカルな情報に留まっていることが多いと感じます。それは報道番組以外についても当てはまることで、例えば、民放、特に地上デジタル放送を中心にして、連日のように東京のイベント、東京の飲食店の紹介がなされます。
 それらを全国の視聴者に勧めているとすれば、遠隔地の視聴者にあまりに失礼であり、理解に苦しみます。地方の視聴者からすると、遠隔地にある放送局の製作スタッフの主観で、連日、全国放送であることを意識していない情報を発信されることが、テレビ番組の視聴率低下の一因であるように思われます。

  田舎では、その地域独自の番組は少ないので、それゆえ、東京の番組への依存度は高まります。全国的な番組が楽しいと思うのかはひとそれぞれ、中央のローカルな番組が楽しいと思うのかもひとそれぞれです。
 しかし、東京の放送局は地域に向けた情報を発信する時間は確保しているのに、全国放送でもローカルな内容を発信しています。 そのため、東京の放送局には地域の視点を持って欲しい、全国放送として通用する番組内容なのかを客観的に見直して欲しいと感じています

 ただし、地域のイベントや飲食店の紹介とは違い、都道府県知事選挙の報道は必要だと思います。ここで問題なのは過度な報道であり、量的に過剰なほか、焦点の当てかた次第で、イベントや飲食店の紹介と何ら変わらないエンターテインメントのような性質に、更に行き過ぎると、特定の人物の失敗を不必要にピックアップして楽しむような軽率な内容になってしまいます。

 参議院議員選挙の話に戻します。

 わたしが投票所で比例代表の投票用紙を受け取りに行くと、立会人の女性が声を掛けてきました。「覚えている?」、そう言われて一瞬顔を見た後、名札に目が行ってしまいました。以前に通っていた中学校のクラスメイトでした。向こうは気が付いてくれたのに、自分は名札を見てしまった。しかも、その後、正直に「名札で分かった」なんて言ってしまった。その日、何度も、自分の失言を思い返して、気の利かないやつと思いました。
 わたしは、いずれ選挙の立会人をやってみたいと思っていたので、彼女のチャレンジが格好よく見えました。しかし、考えるより先に名札を見てしまった自分のとっさの判断が失礼で、失礼で、申し訳なく思えました。名札がなくても分かったと思うけれど、見てしまったから、そう言い切る確信は持てません。化粧がなかったら一瞬で分かったと思うよ、心の中で言い訳混じりに語りかけた。 

2016年7月1日金曜日

ハイブリッド植物

 ひと月ほど前、ショッピングモールで食虫植物を購入しました。

 ウツボカズラを目にしたわたしは、香りを嗅ぎ付けた昆虫同様に引き寄せられました。そして、その周囲に置かれていたサラセニアとモウセンゴケが目に入り、更に、花屋の奥に進むとハエトリソウも見付けました。
 たくさんある中から、お気に入りの一鉢を見つける。これがなかなか楽しく、どれにしようかと選んでいる間に、あっという間に時間が過ぎました。結局、2週にわたって全部で5鉢の食虫植物を購入しました。

-購入した食虫植物の紹介(いずれも2016年6月30日に撮影)-

1.ウツボカズラは、2種類置いてあり、選んだ鉢は「ジェントル」という品種だと思います。実は翌週、もう1種類の「ダイエリアナ」も購入しました。

ウツボカズラ(ジェントル)、手前下が成長中の補虫袋
ウツボカズラ(ダイエリアナ)、右奥が成長中の補虫袋

2.サラセニアも、2種類置いてあり、補虫袋が太めの品種と、細めでたくさん生えている品種が置かれていました。実は、この選択に今回の購入時間の大半を要しました。

サラセニア、緑色の補虫袋は新しいもの

3.モウセンゴケも2種類。気に入った品種から、特にかたちの整っているものを選びました。

モウセンゴケ、先端の粘液で虫を絡め取る

4.ハエトリソウ。こちらは1種類から、葉っぱがバランスよく円形に並んだものを選びました。

ハエトリソウ、左上の新芽が、右手前、右奥のように成長する

 斯くして、わたしと食虫植物との生活が始まりました。百聞は一見に如かず、食虫植物に限ったことではないのですが、詳しく知らないものを目にすることは勉強になります。経験がない分伸び代が大きく、インターネットの使用も相まって、食虫植物についての知識が増えていきました。知ることが楽しいから覚えられるのであり、何かを得るとかいう意識はなく、理屈抜きに楽しい。趣味としてはそれでいいと思います。

 本題に戻します。食虫"植物"である以上は光合成で成長できます。そのため、昆虫などから直接タンパク質を吸収できるからといって、必ずしもそれが生育に必要なわけではありません。亀が肺呼吸、皮膚呼吸を使い分けるように、食虫植物も養分の補給が2通りの方法でできるということです。名付けて、「ハイブリッド植物」。

 先日、移動中のモウセンゴケに虫がとまりました。サラセニアとウツボカズラたちを素通りして、モウセンゴケに付いてきました。そして、並べてあるハエトリソウには目もくれずモウセンゴケにとまりました。初めて見た瞬間であり感動はしましたが、感動している自分の残酷な思考に矛盾を覚えました。

-食虫植物たちの補虫状況について-

1.モウセンゴケは今回見た通り、小型の虫の補虫能力がずば抜けています。食虫植物は一ヶ所にまとめて栽培していますが、競合する他の食虫植物たちを寄せ付けません。モウセンゴケ一強の状態です。

2.サラセニアはモウセンゴケに次ぐ実力を見せています。サラセニアの補虫袋には虫が数匹入っています。ただし、モウセンゴケの補虫数とは大きな開きがあります。

3.最下位はハエトリソウです。現在のところ、補虫したところを一度も見せてもらっていません。がんばれ、ハエトリソウ。まあ、虫がなくても成長できるのですが。

4.ウツボカズラについては、補虫袋の蓋が口の上にあり、補虫袋の奥を見られていません。その実力は未知数ながら、成長後の補虫が楽しみです。と思ってしまうのが、やはり残酷に思います。現在の補虫袋は、虫を誘き寄せる蓋や口が小さいので、競合する食虫植物に対して外見上不利に思われます。補虫袋を灯りに透かしてみた限りは入っていません。

 しかし、突如現れた未知の外来植物に誘き寄せられて食べられる虫を考えると、やはり残酷に思います。彼らには、耐性も経験もありません。

 補虫もさることながら、やはり、観葉植物を見ていて楽しいのは、高温になる時期の著しい成長速度です。特に、その姿が独特な食虫植物の日々の変化は、何といっても魅力的です。

 サラセニアの新芽の補虫袋が大きな口を開けました。そして、水も溜まって、虫を食べられる状態になります。その補虫袋内の液体はウツボカズラの強酸と違って、バクテリアで分解するそうです。新芽の色は淡い緑色、これがだんだん赤色になってくるとすると、これからの変化が楽しめます。 
 ウツボカズラ(ジェントル)は新芽の補虫袋が大きくなってきて、まだ2センチメートルもないとはいえ、順調に成長していることは感じられます。
 ハエトリソウの新芽は、葉が大きくなって起き上がります。そして、先端の補虫器は閉じた状態から徐々にギザギザができて、それがだんだん細長くなります。更に、補虫袋が開くと内側は緑色が強く、特有の濃い赤色は、次第に色付いてきます。
 モウセンゴケは、相変わらず虫をたくさん捕まえています。購入した当初は、購入時に捕獲していた虫がいたため判別できませんでしたが、度々見ていると明らかに増えていることが分かります。この中では虫からの人気が一番かもしれません。虫の数が目に見えて分かるから他より多いと感じるだけかもしれませんが、たくさん捕まえていることは事実です。成長については大きな変化は見られませんが、新芽の開きを感じられますし、全体的に日差しを受けやすい方向に傾いたようです。
 ウツボカズラ(ダイエリアナ)は、大きくなる品種なので成長が楽しみです。新芽の補虫袋も大きくなり、成長後に見られる補虫袋側面の斑模様も、補虫袋の口付近に表れてきました。

 先に書いた通り、気温が上がると成長速度も上がります。サラセニアの補虫袋が少し開いた、ウツボカズラの補虫袋が大きくなってきた、ハエトリソウの新芽の捕虫器にギザギザができたなど、日々の変化を感じられます。その度に、嬉しくって思わず撮影会になります。

 独特な形状と、妖美な姿が興味をそそります。彼らに誘き寄せられるのは虫だけではありません。