2016年7月1日金曜日

ハイブリッド植物

 ひと月ほど前、ショッピングモールで食虫植物を購入しました。

 ウツボカズラを目にしたわたしは、香りを嗅ぎ付けた昆虫同様に引き寄せられました。そして、その周囲に置かれていたサラセニアとモウセンゴケが目に入り、更に、花屋の奥に進むとハエトリソウも見付けました。
 たくさんある中から、お気に入りの一鉢を見つける。これがなかなか楽しく、どれにしようかと選んでいる間に、あっという間に時間が過ぎました。結局、2週にわたって全部で5鉢の食虫植物を購入しました。

-購入した食虫植物の紹介(いずれも2016年6月30日に撮影)-

1.ウツボカズラは、2種類置いてあり、選んだ鉢は「ジェントル」という品種だと思います。実は翌週、もう1種類の「ダイエリアナ」も購入しました。

ウツボカズラ(ジェントル)、手前下が成長中の補虫袋
ウツボカズラ(ダイエリアナ)、右奥が成長中の補虫袋

2.サラセニアも、2種類置いてあり、補虫袋が太めの品種と、細めでたくさん生えている品種が置かれていました。実は、この選択に今回の購入時間の大半を要しました。

サラセニア、緑色の補虫袋は新しいもの

3.モウセンゴケも2種類。気に入った品種から、特にかたちの整っているものを選びました。

モウセンゴケ、先端の粘液で虫を絡め取る

4.ハエトリソウ。こちらは1種類から、葉っぱがバランスよく円形に並んだものを選びました。

ハエトリソウ、左上の新芽が、右手前、右奥のように成長する

 斯くして、わたしと食虫植物との生活が始まりました。百聞は一見に如かず、食虫植物に限ったことではないのですが、詳しく知らないものを目にすることは勉強になります。経験がない分伸び代が大きく、インターネットの使用も相まって、食虫植物についての知識が増えていきました。知ることが楽しいから覚えられるのであり、何かを得るとかいう意識はなく、理屈抜きに楽しい。趣味としてはそれでいいと思います。

 本題に戻します。食虫"植物"である以上は光合成で成長できます。そのため、昆虫などから直接タンパク質を吸収できるからといって、必ずしもそれが生育に必要なわけではありません。亀が肺呼吸、皮膚呼吸を使い分けるように、食虫植物も養分の補給が2通りの方法でできるということです。名付けて、「ハイブリッド植物」。

 先日、移動中のモウセンゴケに虫がとまりました。サラセニアとウツボカズラたちを素通りして、モウセンゴケに付いてきました。そして、並べてあるハエトリソウには目もくれずモウセンゴケにとまりました。初めて見た瞬間であり感動はしましたが、感動している自分の残酷な思考に矛盾を覚えました。

-食虫植物たちの補虫状況について-

1.モウセンゴケは今回見た通り、小型の虫の補虫能力がずば抜けています。食虫植物は一ヶ所にまとめて栽培していますが、競合する他の食虫植物たちを寄せ付けません。モウセンゴケ一強の状態です。

2.サラセニアはモウセンゴケに次ぐ実力を見せています。サラセニアの補虫袋には虫が数匹入っています。ただし、モウセンゴケの補虫数とは大きな開きがあります。

3.最下位はハエトリソウです。現在のところ、補虫したところを一度も見せてもらっていません。がんばれ、ハエトリソウ。まあ、虫がなくても成長できるのですが。

4.ウツボカズラについては、補虫袋の蓋が口の上にあり、補虫袋の奥を見られていません。その実力は未知数ながら、成長後の補虫が楽しみです。と思ってしまうのが、やはり残酷に思います。現在の補虫袋は、虫を誘き寄せる蓋や口が小さいので、競合する食虫植物に対して外見上不利に思われます。補虫袋を灯りに透かしてみた限りは入っていません。

 しかし、突如現れた未知の外来植物に誘き寄せられて食べられる虫を考えると、やはり残酷に思います。彼らには、耐性も経験もありません。

 補虫もさることながら、やはり、観葉植物を見ていて楽しいのは、高温になる時期の著しい成長速度です。特に、その姿が独特な食虫植物の日々の変化は、何といっても魅力的です。

 サラセニアの新芽の補虫袋が大きな口を開けました。そして、水も溜まって、虫を食べられる状態になります。その補虫袋内の液体はウツボカズラの強酸と違って、バクテリアで分解するそうです。新芽の色は淡い緑色、これがだんだん赤色になってくるとすると、これからの変化が楽しめます。 
 ウツボカズラ(ジェントル)は新芽の補虫袋が大きくなってきて、まだ2センチメートルもないとはいえ、順調に成長していることは感じられます。
 ハエトリソウの新芽は、葉が大きくなって起き上がります。そして、先端の補虫器は閉じた状態から徐々にギザギザができて、それがだんだん細長くなります。更に、補虫袋が開くと内側は緑色が強く、特有の濃い赤色は、次第に色付いてきます。
 モウセンゴケは、相変わらず虫をたくさん捕まえています。購入した当初は、購入時に捕獲していた虫がいたため判別できませんでしたが、度々見ていると明らかに増えていることが分かります。この中では虫からの人気が一番かもしれません。虫の数が目に見えて分かるから他より多いと感じるだけかもしれませんが、たくさん捕まえていることは事実です。成長については大きな変化は見られませんが、新芽の開きを感じられますし、全体的に日差しを受けやすい方向に傾いたようです。
 ウツボカズラ(ダイエリアナ)は、大きくなる品種なので成長が楽しみです。新芽の補虫袋も大きくなり、成長後に見られる補虫袋側面の斑模様も、補虫袋の口付近に表れてきました。

 先に書いた通り、気温が上がると成長速度も上がります。サラセニアの補虫袋が少し開いた、ウツボカズラの補虫袋が大きくなってきた、ハエトリソウの新芽の捕虫器にギザギザができたなど、日々の変化を感じられます。その度に、嬉しくって思わず撮影会になります。

 独特な形状と、妖美な姿が興味をそそります。彼らに誘き寄せられるのは虫だけではありません。 

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